バックグラウンドノイズ

12-14日にコンサートに行ってきました。武蔵野でトリフォノフ、よこすかでケント・ナガノ/モントリオールゲルギエフ/マリインスキー。

トリフォノフケント・ナガノ/モントリオールも良かったですが、何より良かったのはゲルギエフ/マリインスキーのタコ8でした。

最近は爆演といってもホールとの兼ね合いであったり、聴衆があまりにドカンバコン系は引いてしまったりとそこまでも無いように思います。年始のテミルカーノフ/サンクトペテルブルグのチャイ4もかなりパーカッションを抑えていました。
ところが今回のタコ8は違いました。サントリーホールが震えてたように思います。

本題はそれではなく、演奏が終わった後の話です。

演奏が終わり、ゲルギエフが指揮棒を降ろすまでの間、永遠と続くような静寂がありました。爆演に次ぐ静寂、オーディオ的に考えれば素晴らしいS/N比です。

自分は生演奏を生で聞く/録音すれば必ずノイズは付きモノ、空間、生を演出するにはノイズは無ければならないと思って、自身の作品についてノイズはかなり寛容的にとらえていました。実際、コンサートに行ってもその演奏のバックグラウンドノイズはあります。空調等もありますし、人の気配というものは加算されるとホワイトノイズっぽくもあります。

しかし、今回のことを考えると、超名演に出くわすと人の意識は演奏(音、動き)に集中し、バックグラウンドノイズは聞こえなくなるのかもしれません。究極の生とは無音なのかなと思いました。
次の録音は無音を目指してみます。