Wavelabを使ったレコードアーカイブ

Wavelabを使ったレコードアーカイブの方法を紹介します。

WavelabはSteinbergの波形編集ソフトです。録音もでき、静寂部分に自動的にマーカーを打ってくれるのでレコードアーカイブに適していると思います。もちろん、録ったのを編集することもできますし、マーカーごとにトラックを分けて書き出すこともできます。

題材はこの前届いたばかりのアンセルメ ロイヤルバレエにしてみます。こういうオムニバス的レコードでないと、マーカーが打たれたのが分かりづらいので。

あ、もちろん復刻です。Analogue ProductionsのSoria Series復刻リストはちょうど1年前に発表されましたが、ようやく販売されました。実はClassic recordsの45回転9枚組も持っているのですが、聴き比べようかなと。オリジナルは状態が良いものだと5000ドルとかしますから、それに比べればアナプロの復刻は安いもんです。

さて、まずはじめにWavelabの録音の設定をします。

赤丸部分「入力音検出時~」と「静寂部分に~」にチェックを入れます。これによって針を落とし次第録音が開始され、トラック間で自動的にマーカーを打ってくれます。

入力音と静寂の定義は同画面「各種設定値」にて行います。

目安としては入力音は前述の通り針を落とした時のレベルよりも少し小さいぐらいです。難しいのは静寂の定義でレコードの無音再生部分がどのくらいのレベルになるかによります。うちのシステムの場合は、おおむねRMS -38dBFS程度でした。

フルビットまで録音しようとすると、レコードによってゲインを変える必要があるので、あわせて静寂の数値も変えないといけないです。ただ、自分はレコードによってゲインを変える必要性は感じていません。レコードのS/NよりもはるかにADCのS/Nの方が良いですし、大きくマージンを取ってプラスゲインにするなら、ビット落ちの心配もありません。
また、詳しい説明は割愛しますが、ΔΣ変調部の特性から、ほとんどのADCで-6dBFSから0dBFSにかけて歪率が悪化します。うちのもそうなので、TELARC 1812の最大音量部分で-6dBFSぐらいになるようにゲインを固定してます。
唯一ESSのICを使っているADCだけは問題ないのですが、あんまり種類が無いですね。

ものぐさなので、2枚組を一気に録音してみました。

随分マーカーの数が多いですね。これは音の小さい部分も静寂部分としてカウントされてしまったためです。マーカーの整理やレコードを変える間の無音部分などの編集をします。


マーカーの数は25になりました。CDだと29トラックになりますが、曲間を詰めてカッティングしてある曲もあるため、こんな感じになります。まぁ良いでしょう。


マーカーの種類をトラック間に変えて、名前を整理します。


後は書き出すだけです。赤丸部分のリージョンを選択し、種別をトラックにすれば、マーカーの通りにトラック分けされて書き出されます。


書き出されたファイルです。88.2kHz/32bitIntで書き出すと4GB弱というファイルサイズになりました。

以上です。自分はレコードアーカイブの目的が車で聞いたり、ポータブルプレイヤーに入れたりすることなので、この後44.1kHz/16bitに変換して、CDに焼いて車に取り込んでます。車買い替えてUSBメモリとかで読み込みができるようになれば楽なんですが(笑)