最近分かってきたこと

最初にお知らせを。録音無事に終わりまして、DSD256でデモ音源を1曲分あげました。
http://wechdomi.org/ (Worksより)
http://ch.nicovideo.jp/piano/blomaga/ar753954 (レコーディング風景など)

さて、今回のARDA AT1201を使った、エレクトロアート製録音機材とMerging Hapiでの録音比較や、今までやってきたDSD-PCM-DSD変換で分かってきたことがあります。自分への整理もかねて纏めようかなと思います。

・ノイズシェーピングの次数は高ければ高いほどくっきり音が出る
ネット上に落ちてるソースコードでPCM-DSD変換をしてみたり、今回の比較録音の結果、そうなりました。
(前々から書いていますが、ARDA AT1201の1bit出力はかなり次数が低く、各メーカーマルチbit出力を自前でノイズシェーピングをし1bitにしているようです。エレクトロアートさんのよりもMerging Hapiの方が、残留ノイズを観測する限りでは、次数が低いようです)
手近なのだと、Foobar2000のPCM-DSD変換時、SDM(Sigma Delta Modulation) Type AからDまでありますが、Aが4次、Bが5次、Cが3次、Dが5次です。

DSD-PCM,PCM-DSD変換時のローパスフィルタによって音は全然違う
DSD-PCM変換時は間引きの為に、PCM-DSDは補間の為にローパスフィルタが必要になりますが、ここによって全く音が変わってきます。一般化するのであれば、カットオフ周波数が可聴域に近くなってくればくるほど、音はギスギスしてきます。
ノイズシェーピングと同じようにFoobar2000だと、Resampler-Vプラグインが分かりやすいと思います。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2819/20150124/45961/

この時、間引き、補間のローパスフィルタによる音の変化の方が、ノイズシェーピングの次数より支配度が大きいようです。つまり、現代のマルチビット⊿Σ型DACにおいては以下のようなプロセスが良いようです。

1.DSD再生時に間引きを行うDAC
PCMで受けられる最大のサンプリングレートに音源をアップサンプリングし、DACに送る
2.DSD再生時に間引きを行わないDAC
DSDで受けられる最大のサンプリングレートに音源をアップサンプリングし、DACに送る

もちろん、アップサンプリング時の補間フィルタの精度がDACよりも自前で行う方が良い場合に限ります。この時、急峻なフィルタにするのではなく、ある程度折り返し歪みを許容するというのがポイントで、それぞれ最大のサンプリングレートにする理由です。

語尾を濁しているのは、当たり前ですが、環境、音源によってそれぞれの音の変化が良いようにも悪いようにもなるからです。ただし、変化は無視できないほど大きいです。私の場合は、変換をDACに任せるのではなく自前でやることで、音楽の表現の幅が広がりました。